頻発する豪雨災害による路面崩壊を抑える

林道・作業道や生活道が豪雨による浸食・崩壊の危機を迎える前に!

ブンサンベルトは、路面の流水を効果的に排水し、
路面の崩壊を抑制する簡易排水帯です。

ブンサンベルトとは

 近年多発している集中的な豪雨など、林道や作業道、農道の路面(わだち)を流れる雨水に対し、本製品を路面に適宜の間隔で設置することで分散して排水、路面の浸食や崩壊、路面砕石の流出を防ぎ、快適で安全な状態を確保します。これらの効果を通して、森林の崩壊などによる荒廃抑止にも貢献します。また、重機を要さず少人数で容易に設置/更新できるため、林道・作業道・農道の維持修繕コストや作業労力を軽減します。運搬も容易、20m巻と10m巻き(各固定杭付属)よりお選びいただけます。 

装道路の簡易な路面水排水帯「ブンサンベルト」

かつて山間の急峻な林道や農道は、台風の雨の度にワダチを水が洗堀し、ひどい所は脛まで入るぐらい掘れたこともありました。

復旧するに重機も無い頃のこと、先輩達の指導で直径15cm位、長さ2~3mのわら束をつくり、道路の水を分散排水するよう、道路に適宜な間隔で斜めに設置し水を切りました。当時この作業を我々は「はけきり」と申しておりました。現在、林道・農道・作業道など、毎年継続延長して、おびただしい距離が施工されていますが、ほとんど未舗装の状態です。ここ数年来、地球の温暖化か異常気象かは存じませんが、最近は集中豪雨や台風時の雨は以前とは違い、大災害をもたらす程のようです。私共の集落にも林道・作業道が在りますが、大雨の度ワダチが洗掘され、その度に道直しが必要なので困っております。 今の時代において、舗装もままならない林道・作業道が数多くある現状を憂い、弊社は先人の教えを参考に本製品を考案しました。

現在、簡易な路面廃水方法はありますが、掘削して埋設施工となるので、人力・重機でも大変な時間と経費がかかります。しかし、当方法は帯状の弾性ゴムを杭で自立固定させるので、施工時間・経費は比にならないほど早く・安く施工できます。
この簡易路面水排水帯「ブンサンベルト」が林道・作業道、ひいては集落での生活を守る為の一つの安全策として、皆様のお役に立つことができれば幸いです。

防災効果

降雨により増加した路面水が集中流下したことによる路肩の決壊や排水管の閉塞による路体の崩壊等、水処理が不完全なことが原因で起こる災害があります。 路面水の集中流下は、溝に土砂が溜まったまま放置されていることから発生しており、林道の維持管理として溝の土砂取り除きをしていれば防ぐことが出来ます。
ブンサンベルトなら土砂取り除きの作業など維持管理が容易なため、効率的な排水で防災効果を高めます。 

維持が簡単

林道の機能維持、安全通行を確保するための維持修繕にかかる時間と費用は大変な負担となります。
ブンサンベルトは溝ではないため、従来の排水溝における土砂など堆積物によって詰まるということがありません。
堆積物を取り除く作業も簡単です。
安全のための適切な維持管理は簡単に施工・メンテナンスができてこそ継続することができるのです。

納入実績

北海道・福島県・岐阜県・秋田県・三重県・愛媛県

高知県(いの町、大月町、仁淀川町、馬路村、三原村)他、

全国自治体/森林組合

民間企業(林道整備事業者、コンサル企業 他)

ブンサンベルトの特徴

 ・施工は重機作業がない為、設置費も安価です。

・(2人で4m分を45分程度で設置できます。)

・20mロール巻ですので持ち運びが容易です。

・任意の長さに施工できます。

・路面の流水を止水し、路盤砕石を流出させません。

・溝がないため、たまった土砂は簡単に取り除くことができます。

・直進するキャタピラで踏んでも使用に差し支えありません

設置にあたっての留意点

・ベルト排水勾配(注:樋でいえば樋の傾斜角)を、約6度以上を目安に設定します。

・設置後は路面の流水状況を見ながら追加するのが効果的です。

・台風や豪雨前後は点検・整備しておくことが大切です。

・道路のカーブ部分への設置は避けてください。

・新設道に設置する場合、可能な限り接地面の転圧を行なってください。

・路面のわだちとわだちの間は、車輌が何回も通るうちにわだちより高くなり、排水の妨げとなりますので、低くしてください。 

標準仕様

 横長板の下辺の多数の切込みによって複数の固定片が並んだ形に展開されます。 

仕様状態断面図

複数の固定片を互い違いの方向に折り曲げ、固定片に設けられた固定孔に杭を通し地面に固定します。 

仕様状態斜視図

ドリルで地面に穴を開け、杭で固定します。 

日本森林林業振興会高知支部との共同実験での試験結果の学識経験者の見解

ブンサンベルト工に関する現地試験はほぼ1年間にわたり実施した。その期間中の降水量は本県の平均降水量2547.5mm/yearを超過する2895mm~3649mmであつた。この降水量は未舗装路面の維持・管理に支障をもたらす降水量でもある。試験地に設定した林道はブンサンベルト工群の現地試験地に対して最適の試験地でもあつた。 

 試験地に設定した未舗装林道路面勾配は3度前後から10度前後の緩急勾配の未舗装林道である。雨の降り方の強・弱にもよるが、ブンサンベルト工群施工以来、未舗装路面上には運搬車両の轍の形成は確認されない。ただ未舗装路面上の掃流力による侵食・堆積の現象はそれぞれ確認された。ただし、これらの現象は路面勾配が10度前後の路面であり、3度前後の緩勾配の林道では確認されない。当然、運搬車の轍の形成も確認されない。

 ブンサンベルト工の特徴の一つは”基礎工が面構造”であることによる。さらに、路面との馴染み(注:路面との接蝕カ所)を良好に維持するために、間伐材の板材を設置したことである。ブンサンベルト工のコストはある程度上昇するが、ブンサンベルト工群の耐久性を高める効果は期待される。

 ベルトはブンサンベルト工の最重要な部品である。その性能は添付の試験成績表から推測される。性能として重要な点は上・下の曲げの耐久性である。添付の重量車による試験回数(注:重要な点である。必要な回数)でも、ベルトの”劣化現象”は確認されない。 現地のブンサンベルト工群のベルトでも試験期間中ベルトの”劣化現象”は確認されない。

 以上の現地試験成績の結果から、ブンサンベルト工は未舗装林道路面の維持・管理に最適の機能を有する施設構造物であることが評価できる。 

以 上

平成25年1月                               

高知大学・名誉教授     細田 豊 

国立研究開発法人防災科学技術研究所での実験

2020年、国立研究開発法人 防災科学技術研究所にて降雨実験を実施、ブンサンベルトの排水効果を確認しております。